電熱器の赤外線ヒーターについて
赤外線ヒーターとは、赤外線を発生させることで暖かさを感じようとするものです。
どのようにして効率的に赤外線を発生させるかにはいろいろな方式があるのですが、ニクロム線という合金に電気を通す方法は昔からよく知られており、実際に利用されています。
ニクロム線は名前くらいは聞いたことがあるでしょうが、これはニッケルとクロムの合金です。
どちらの金属も、それ自体では電気を非常に通しやすいのですが、なぜか適切な割合で合金を作ってやると、電気抵抗が上がる特徴を持っています。
抵抗が高いということは電気のエネルギーを熱のエネルギーに変換しやすいということで、ヒーターに用いることができるわけです。
ちなみに最近ではニッケルとクロムの合金以外にも、より使いやすい別のタイプの合金も増えてきています。
名前からするとニッケルとクロムの合金以外はニクロムと呼ぶことは適切ではないかもしれませんが、新しい名前が乱立するのも分かりにくいだけですので、依然としてまとめてニクロムと呼ばれることもあります。
電気を流すと赤く光りますが、赤い光はむしろメインではなくて、目には見えない赤外線を主に発生させています。
そのため効率よく対象物を暖めることができるのです。
一方で、通電してから暖かく感じるようになるまで多少の時間がかかるもどかしさはあって、ガスファンヒーターのように、10秒もあれば十分というようなわけにはなかなかいかないデメリットもあります。